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We seek to further Thomas Hardy scholarship.

日本ハーディ協会

ブログBlogpost

「世界最大の私設図書館
 
 ハーディ研究にいそしんでいる中で、資料収集に困っているという方がおられるかもしれません。そんな方のために、今日は、
世界で一番大きい私設図書館を紹介します。特にデータベースが大学になくて困っているという方には耳寄りな情報かと思います。
 今回紹介するのは、
    London Library  

です。これは、Thomas Carlyle が1840年に提唱して、41年に開設された私設図書館です。St James Square というピカデリースクエアから歩いて5分くらいの場所に位置しています。図書館の中はとても静かです。British Library のような、せわしなさはありません。針一本おちてもその音が聞こえてくるような感じがします。過去の会員の中には、Charles Dickens, Charles Darwin, George Eliot,Henry James, Arthur Conan Doyle, Bram Stoker, George Bernard Shaw,Virginia Woolf, Isaiah Berlin, Laurence Olivier, Agatha Christie ,Harold Pinterがいたそうです。
 この図書館が提供するデータベースには文学、歴史、美術、音楽関係が充実しています。日本でもよく知られた、JSTOR、OED, DNB, Who's who 以外に、British Newpapers Archive_は19世紀の全国紙、地方紙をかなりカバーしており読むことができます(要登録)。Dorset County Chronicle も読めます。今でもアーカイブ化されたページ数が増加しているようです。TLS Archive もあります。日本ではTLSの個人購読には制約があったかと思います。個人でオンラインで日本から購読することは無理でした。ただし、アーカイブですので、過去5年間のものはよめません。それよりも昔のものはオンラインで読めます。これはいちいち紙版を探す必要がないので、大変便利です。The Illustrated London Newsもオンラインで見られます[The Open Library版はこちら]。田舎の研究には欠かせない、19世紀末から刊行されているCountry Lifeも読めます。フルテクストで読めない場合でも、ビブリオが充実していますので、相互貸借を利用すれば、論文などを手にいれることは可能でしょう。Oxford Art Onlineなど、参考図書データベースも充実しています。
 残念ながら、Periodicals in the 19th century およびBritish Periodcals(18世紀~20世紀)という定期刊行雑誌のすぐれもののデータベースはないようです。これは日本の大学でもっているところは大きな有名私大だけではないかと思います。British Libraryの中では読めますが、USBに保存はできませんので、1枚40円くらい払って該当箇所をコピーするしかありません。London Libraryでは、データベースは入っていませんが、紙版の製本された定期刊行雑誌は入っていたのではないかと思います。検索してみればわかるかと思います。
 会員にならないとデータベースや図書館本体は使えませんが、日本にいるものが一番重宝するのはデータベースだと思います。図書館利用は含まないが、データベースは使える会員に、Remote Access Membershipがあり、年会費£290 (4万円前後)です。もしロンドンに行ったときに図書館も使いたければ、1日20ポンド、一週間だと割安で70ポンド払えば使えます。ロンドンのホテル代の高さを知っていられる方には,これは安くはありませんが、それほど高くはないかもしれません。290ポンドは使えば使うほど、コスパがよくなります。
 年会費はディスカウントで、265ポンドですが、これは毎年デビットカードから引き落としができる、standing order の設定をした場合です。イギリスの銀行に口座のある方はやれると思いますが、日本の銀行から可能かどうかはわかりません。その他支払い方法については直接メールでお尋ねください。すぐに返事がきます。ロンドンに半年以上、在外研究に行かれるのであれば、フルメンバーシップがお得かもしれません。会費は500ポンド強(7万円台)だったと思います。
 数年前まで、紹介者が必要だったのですが、最近HPを確認したら、そのような記述が見当たりませんでした。入会が緩くなったのかもしれません。が、もし会員になりたい方で、手続きを進めていく段階で、紹介者の氏名、住所、会員番号が必要ならば、ハーディ協会員であれば、私が紹介者になりますので、遠慮なく言ってください。London Libraryは、おそらく、常勤、非常勤として働いている、日本の所属大学がデータベースに恵まれていないような場合には力を発揮してくれるものと思います。
 非常勤であっても、データベースを使わせてくれない、
ある有名私大があると聞いています。私の勤務する大学の場合には非常勤はアカウントをもらって、図書館のデータベースを使えます。私がLondon Libraryに入会したのは、2年前で、コスパがいいとは言えないのですが、新聞や雑誌、書誌情報、参考書など使い勝手がいいので、やめずにいます。私の勤務する大学には足りないものが多いので、それも補ってくれています。その他、詳細は、HPへ入られて、ご自分で確認されてください。
 入会したての頃、たくさんの人に入ってもらいたいと思っていると図書館員の方が言われていました。その時に、Remoteのようなものがあったらいいと私は意見を言いましたので、それが実現されたようです。Remoteは最近新しくできた会員の種類のようです。2年前はフルメンバーシップしかありませんでした。
 以上、何かご質問等ありましたらお答します。ちょっと posh で上品な感じの図書館ですが、購読できるデータベースが少なくてリサーチに困っているという方がおられましたら、ご一考ください。
 それからついでの情報ですが、
     Nineteenth Century Online Collection

というのがGaleから出ています。これは12モジュールからなり、政治、演劇、児童文学、女性、ヨーロッパ文学、写真、科学・技術などからなりますが、一つ500万円くらいですので、全部そろえると5000万で、持っているのは2,3の有名私大だけ(未確認)のようです。これですと定期刊行雑誌の記事などもテーマに沿って読めるようですが、大半の日本の大学には高嶺の花ですね。
 以上、長くなりました。興味のある方は、リサーチの幅を広げるためにも、お試しください。もちろん、今の所属大学で十分なデータベースを満喫しているという方には無縁かもしれませんので、余計な紹介だったかもしれませんが、ご勘弁ください。                   (A Hardy lover @ Seinan)
                                        [ ]はHP管理者の補足です。
London Library Twitter

Opn Library

Open Libraryのお薦め。ハーディ協会の会員のなかには特にハーディのテクストについて関心を抱いている人もあるだろう。そういう人で初版を読んでみたいという人に是非アクセスしてほしいサイトがこれである。このサイトはUniversity of Illinois-Urbana Champaignの提供する19世紀イギリス小説のe-textを収めている。これだけ書いただけではよそにある同種のサイトとの違いは分からない。このサイトの優れている点は、収められているテクストがほとんど初版本で、大半はtriple-deckerであることだ。ここでリンクを張ったのはM. E. Braddonの作品が並んでいるページである。ブラッドンの作品はOxfordのWorld's Classicsで3冊、それ以外には10冊ばかりが日本では直接手に入らない出版社から出されているに過ぎない(と思う)。しかし、Open Libraryには彼女の初版本が収められている(しかも音声付きで)。もちろんハーディの作品もちゃんと読め(聴くことができ)る。例えば、Osgood and McIlvaine社発行の1891年版triple deckerのTessがこちら⇒https://archive.org/stream/tessofdurbervill01hard#page/n11/mode/2up
イリノイ大学のアーバナ・シャンペイン校図書館の刻印が押されている。
 イリノイ大学アーバナ・シャンペイン校は研究大学として評価の高い大学で、図書館の蔵書数は既に1千400万冊を超えている(世界の大学図書館ではHarvardに次ぐ規模、図書館としても世界で9番目に規模が大きい。アメリカには蔵書数1千万冊を超える大学が9校ある)。Open Libraryに収められている初版本にはこの大学の蔵書印が押されていることから、この大学の蔵書には19世紀イギリスの稀覯本が多く含まれていることが分かる。飛行場を所有する全米で3つの大学(他にはOhio State Univerity, Purdue University)のひとつで、それだけでもこの大学の規模の大きさは想像できる。日本人のイギリス文学研究者でこの中西部の大学で研究したという人を寡聞にして知らないが、こういう環境の大学だから、若い研究者の皆さんには記憶しておいて、在外研究をする機会があったら候補にしてほしい。自前の飛行場を持っているということはそれだけ田舎であるということでもある。これがプラスかマイナスかは個人の判断になるが。
                   (HP管理人)


海外新潮

"Paganism in Tess of the D’Urbervilles and Jude the Obscure: The Possibility of Faith and Ethics in a Darwinian World" (by Marie Panter, Cahiers Victorians et Edouardiens, 2014)


"Manusript of the first and last chapter of Tess of the d'Urbervilles" (British Library)

アセルハンプトン・ハウスの調度が150万ポンドで競売 (BBC)
(ハーディの小説や詩に登場する15世紀の古建築


"Thomas Hardy: Half a Londoner" (reviewed by Dinah Birch, The Guardian, Jan. 12, 2017)
(Belknap Pから2016年に出版されたMark Fordによる研究書の書評。


"Thomas Hardy in a Cloak of Snow" (New York Times, 2001, Jan. 7)
(The Mayor of Casterbridgeをもとにした映画The Claim[2000] の映画評。映画の舞台は1867年、ゴールドラッシュに沸くカリフォルニア。その予告編AMAZONで予告編、本編[$3,99]が見られます。)


"Thomas Hardy by John Fowles" (J.Hillis Miller, Thomas Hardy: Distance and Desire [1970]のジョン・ファウルズによる書評。New York Timesのアーカイブスより

ITVで放映中のドラマ"Broadchurch"はドーセットのブリッドポートとその周辺が舞台だが、ハーディの作品との類似点が多いとの指摘がある。The Times 12月27日の記事より(この記事は有料です)。
http://www.thetimes.co.uk/tto/arts/tv-radio/article3945470.ece

「有名人と墓石」と題するCNNの番組 (Oct. 2013)より。ハーディがロンドンのセント・パンクラス教会で何千という骸骨の処分に関わったというエピソードを紹介している。
http://edition.cnn.com/2013/10/17/travel/london-great-cemeteries/index.html?iref=allsearch

化石の登場する文学作品のトップ 10。ハーディの『青い瞳』も含まれている。『ガーディアン』の記事から。
http://www.theguardian.com/books/2012/mar/09/mullan-ten-best-fossils-literature

Bones found at prison may belong to real-life Tess of the d'Urbervilles (The Guradian, Feb. 19, 2016)テスのモデルとされるマーサ・ブラウンが1856年に処刑された現場から遺骨発掘


Information

日本ハーディ協会
http://thomashardyjapan.org/

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名古屋大学大学院
人文学研究科内
☏052-789-4343
jimu.thsjapan@gmail.com